エクスチーム

タニタ社が推進する「日本活性化プロジェクト」の業務管理にエクスチームを活用。月次レポートや請求書のペーパーレス化

株式会社 タニタ
経営本部 社長補佐 二瓶琢史様

タニタ様における業務委託活用について教えてください。

タニタ社では、「日本活性化プロジェクト」という取り組みを推進しています。2016年から準備を始め、2017年より、希望する社員が個人事業主に切り替わる、つまり、雇用契約から業務委託契約に切り替えて仕事をしています。2020年で4年目となり、来年で5期目に入ります。

2016年の年初に社長の谷田が「(社員の個人事業主化を)どうしてもやりたい。究極の働き方だ」と言い出しました。これがこの取り組みの始まりです。当時私は、人事・総務部門の責任者で、正直何のことかよくわからず、困惑したことを覚えています。谷田自身は、社長に就任した2008年頃から、今回の“社員の個人事業主化”に向けての構想を持っていたようです。

谷田が2008年に先代から社長業を受け継いだ時、何を引き継いだのか自問自答し、その答えが「人」であることに辿りつきました。タニタで働く社員とその家族を引き継いだのだと強く感じ、それと同時に大きな課題や責任を感じたそうです。会社が良いときは問題ないですが、仮に業績が悪くなった時、社員がやむにやまれず、転職をせざるを得ない状況にしてしまうことがあるかもしれません。これが耐え難かった。そうならないようにどうしたらいいか、その一つの答えが、収入源の多様化です。タニタの収入だけに頼っている状態ではなく、収入源が他にもあり、経済的に自立・独立している状態であれば、危機的状況になっても、タニタを離れずに、仕事を続けてくれるかもしれない。そう考えました。

もう一つはメンタル不調の問題です。弊社でも一定割合のメンタル不調者がいました。彼ら彼女らが、会社から命令された「やらされ仕事」ではなく、自分のやりたい仕事に主体的に取り組んでいたら、メンタル不調にはならないのではないか。この2つの考え方がベースになって、日本活性化プロジェクトを構想しました。

具体的な仕組みづくりについては、税理士さんや社労士さん、弁護士さんからも様々なアイデアもいただきました。特にその税理士さんは、理美容業界で既に個人事業主化の取り組みを推進されており、美容師さんは最初社員で働き、ある程度実力が付いたら、業務委託という形で独立をするという流れを作っていました。その仕組みをタニタ流にアレンジしました。

2016年に仕組みのベースが固まり、2017年に社内に告知したところ、8人の社員が手を挙げてくれました。この8人が雇用契約から業務委託契約に切り替わり、第1期がスタートしたのです。

雇用契約から業務委託契約になると、具体的に何が変わるのでしょうか?

業務委託契約は不安定ではないかという社員の声がありました。それを解決するために、原則、今やっている仕事をそのままやってもらうようにして、報酬額も、今もらっている給与をベースに下がらないように設計しています。また、契約が切れた時の不安を解消するために、3年間契約を結んでいます。1年単位で委託内容や条件を見直すのですが、仮にどちらかの事情で条件の合意ができなかった場合も、契約が2年残ります。これにより、個人にとっては急激な収入減を、会社にとっては業務を放り出されてしまうリスクを回避しています。 この3年契約の仕組みについては、多くの人が納得してくれていると感じています。

社員の個人事業主化には、副次的な効果もあります。例えば弊社は、会社規則で社員の副業を原則禁止しておりますが、業務委託で仕事を受けるようになれば、どの仕事をするかは個人の自由になりますし、定年で働けなくなるということもなくなります。そういった側面を考えると、会社と個人の労働関係の問題の多くが解消されるのではないかと思っています。

これまで、大量採用、低賃金、時間搾取といった問題の中、労働法によって様々なルール整備がされてきたことはとても良いことだと思っています。一方で、私たちが取り組んでいる日本活性化プロジェクトにおける会社と個人の関係は、会社がしてほしいことに対して対価を払うという原理原則に近いと思っています。

業務委託契約に切り替えてからどういった課題を感じましたか?

どんな仕事をしたかというアウトプットを月次でレポートしてもらい、その後請求書を提出してもらって報酬を支払うサイクルなのですが、この月次レポートや、請求書をこれまでは紙で出してもらっていました。最初は8人しかメンバーがいなかったので、そこまで課題を感じていなかったのですが、これが20人ぐらいまで増えてきて、このまま紙で運用を続けていくのは少々しんどそうだと感じていました。

エクスチームとの出会いや、エクスチームに感じたことを教えてください。

パーソルさんが開催された無料セミナーにたまたま参加したことがエクスチームを知ったきっかけでした。そのセミナーに登壇されるフリーランス協会さんによる業務委託の現状や課題についての講演を聞きたくてセミナーに参加しました。

実は、これは運命的だなと思ったのですが、このセミナーの開催日が、ちょうど、私たちが進めてきた日本活性化プロジェクトについてまとめた書籍の発売日だったんです。店頭に並んだばかりの本を持って、セミナーに参加し、もしかしたら本のアピールができるかもしれない。そう思っていたことをよく覚えています。 そのセミナーでの講演を聞く中で、エクスチームという業務委託の発注をオンライン化する仕組みがあると聞いて、これはペーパーレスに移行する合理化に使えるかもしれないと感じました。

そのセミナーではエクスチームの詳細までの説明は無かったのですが、その後熱心に営業していただきました。エクスチームの実際のデモ画面を見せていただいた時に、マニュアル無しでも直感的に使えそうだなと思いました。

私自身、マニュアルを読みこむタイプではないので、直感的に使えるのはとてもありがたいと思いましたし、あとは動作がすごく軽いと思いました。業務管理システムだと待機時間が長いことがままありますが、エクスチームは反応が良く、それが私にとってヒットでした。

また、これはタニタ社の課題ではないのですが、多くの会社で、フリーランスと業務委託契約するときに、契約書無しで業務発注するといったことが横行していると聞きます。そこにメスを入れたいという、パーソルイノベーションさんの想いは、すごく共感できました。このシステムを通じて業務発注していれば、間違った税率になることや、違法契約になることを抑えられる、いわゆるフェイルセーフ機能のような役割になるだろうと思いました。

エクスチームを導入して実際の効果はいかがでしょうか?

システムって動いて当たり前だと思われるので、褒められることは少ないですよね。しかし、現場から「システムとして使い辛い」とか「エラーで動かないといった文句」が出ないので、優秀な作りなのではないかと思っています。

課題感としては、これは使う人の知識レベルの問題なのですが、税率や、源泉徴収を選択できる機能において、その意味を分かっていない人がチェックを外してしまうというエラーが発生しています。その都度フォローをしていますが、こうした機会を通じて、その人の学習になっている側面もあり、逆に役立っているとも感じています。

また、私が好きな機能が一つあります。星5つの評価機能ですね。色んなネットサービスでも使われている機能ですが、シンプルでとても使いやすいです。星5つの社員に限定して仕事をお願いするといった使い方ができそうだと感じています。

エクスチームの今後に期待することはありますか?

エクスチームの強みは、最大公約数の機能で創られているとお聞きしたので、あまりカスタマイズ機能の要求をしては、メリットが失われるのだろうなと思っています。しかし、タニタ社としてはやりたいことが2つあります。

1つは、現在会社から個人に発注する流れになっていますが、その逆として、個人が「私はこういった業務ができますよ」と、会社側に売り込める機能が欲しいと思っています。

もう1つは公募制・入札機能で、こういった仕事があるけど、やりたい人、できる人いる?と投げかけられる機能が欲しいです。

タニタ社の個人事業主化の取組・日本活性化プロジェクトの今後の展望を教えてください。

日本活性化プロジェクトについては、周りから時々「会社の中で何人ぐらい個人事業主化したいのですか? どのぐらいの構成比率にしたいのですか?」と聞かれることがあるのですが、その辺はあまり考えていません。タニタには“雇用”と“業務委託”と2つの選択肢があって、その人にあった選択をしてもらえたらいいと思っています。

これは私の予想ですが、新しいことを好む人たちの割合が全体の2割ぐらいと考えていますので、このままの延長線上でいくと全体の2割程度が個人事業主になるのではないかと想定しています。ただ、この2割というのは、今の日本の社会構造や慣習をベースに考えていますが、これからは、働き方改革や、新型コロナウイルスの影響も含めて、社会構造や常識、慣習が変わってくると考えています。そうすると、会社と個人の関係性において、雇用が主流ではない時代がくるかもしれない。会社の中で業務委託が過半数を超えるといったことが主流な時代がくるかもしれません。そうなったら面白いなと思っています。

その時代の変化に合わせて、日本活性化プロジェクトの取り組みをタニタ社だけのものにするのではなく、他の企業にも取り入れてほしいと思っています。ありがたいことに、書籍を発売して以降、様々な企業からお問い合わせを頂くようになりました。必ずしもタニタのコピーでなくていいと思っているので、その会社に合った仕組みや取り組みにしてもらえるよう、支援をしていきたいと思っています。

業務委託活用に不安な担当者がいても、簡単に操作できるエクスチームがあれば安心ですよね!

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フリーランス数

フリーランス:20~50人

事業内容

家庭用・業務用計量器(体組成計、ヘルスメーター、クッキングスケール、活動量計、歩数計、塩分計、血圧計、睡眠計、タイマー、温湿度計)などの製造・販売